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「ビクトルはレストランで働くって聞いてたけど？」
「……レストランは……、やっぱり、あのゥ、お給料が安いカラ……」
「違うよね？イバラさんに何か言われて嘘ついたんだよね？」
ビクトルは小さくうなずき、うつむいてしまった。ビクトルだけじゃない。スタッフさんみんなが泣きそうな顔をしていてこっちの胸が苦しくなる。
「みんなさぁ」
タムタムが明るい声を出す。
「イバラさんに言われたんでしょ？ニコスタよりお給料あげるからこっそりイバラスタッフで仕事しよう、って」
スタッフみんなが落ち着きがなくなってきた。そして耐えられなくなったのか次々と喋り出す。
「だって井原サンがお給料三万円多くくれるって言ったネ!!」
「ニコスタは何年いてもお給料上がらないって言われたカラ」
「オイ!!ニコスタにしゃべっちゃダメだって言われてたダロ!?」
「だって私タチ悪くナイ」
「井原サンも鬼瓦サンも何も問題ナイって言ってたヨ!!」
やはり全員グルだ。
いや、スタッフさん達はうまい話に乗せられただけか。
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