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初出勤の日、早朝。新品のスーツに身を包んだ自分はとても有能な営業アシスタントに見えた。
バッグも新品、パンプスも新品、何年かぶりに履く肌色ストッキング。
みっちゃんが「スーツは安物はダメ」と言っていたから、私は動きやすい素材のお高めのスーツを選んだ。
正直財布が泣いている。
でもっ!!でもでもでも、痛い出費を忘れるくらいにバリバリ働いてすぐに取り戻してやるんだもんね!!
始業十分前だ。慣れないヒールをコツコツ鳴らし、ニコニコスタッフ事務所のドアをくぐる。
緊張で挙動不審な私の耳に飛び込んで来たのは、歓迎の言葉でも朝の挨拶でもなく、知らないオッサンから発せられた鼓膜がちぎれる程の怒号だった。
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