はい!!ニコニコスタッフです!!

奪還

「はぁぁ、タムタム、今日めちゃめちゃ頑張ったね」

事務所に着くまでの十数分、私達は勝利に酔いしれていた。

「そうです。俺はやる時はやる男ですからね。自分のアシスタントを泣かすような真似は絶対にしませんよ」

「うんうん。かっこよかったねぇ」

「本当ですかっ？」

「デコ出しも似合うんじゃないかと思えてきたよ」

「え……、そっち？」

「え？どっち？」

「いや、なんでもないです」

「うん？あ!!」

バッグの中でケータイが震えている。

「みっちゃんからメールだっ!!……おおお!!今日は流しそうめんパーティを開催します、って、やったー!!」

「俺、そのみっちゃんとやらに勝てる日はくるんでしょうかねぇ……」

「うん？あ、そうだ!!タムタム!!いつの間に山川物流の受注取ったの!?」

「え？あぁ。ふっふー。すごいでしょう？毎週あそこの部長さんの釣りに同行してましたからね。息子のようにかわいがって貰えるようになりましたよ」

「すごい……。ハンパないヨイショ力……!!」

「大事なのは少しの努力と笑顔ですよ」

「デコ出してると説得力あるなー」

「さて、コンビニ寄って帰りますか。奪還祝いに事務所のみんなにお菓子でも配りましょう」　

「了解です!!」