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お風呂から上がり荷物の置いてある客間に入るとーーー
ピッタリとくっつけて布団が二組敷いてありました。
「ババァ、何、気をきかせてるんだか…」
ご近所に挨拶に行ってた篤がいつの間にか帰ってきたようで、布団の前で呆然とする私の横で後ろ頭を掻きながら呆れたように呟いていました。
「さすがに布団こんな風に並べられてもこんな扉一枚隔てただけの部屋じゃヤらねぇって。」
と、居間にいるフミさんに聞こえるように言う篤。
「ちょっ、ちょっと止めてって……」
と、戸惑いながら私がいうと
「扉一枚でも何も聞こえないしあたしは一度寝ると朝まで起きない質だからねぇ。ご遠慮なく。それとババァじゃなくてフミさんだろがっ。」
と居間のほうから聞こえてきました。
私たちはお互い顔を見合わすとどちらからともなくクスクスと笑いが込み上げてきました。
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