5、揺れるココロ

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島に来て数日が過ぎました。 私たちは釣りを楽しんだり散歩をしたり時々、フミさんの畑仕事を手伝ったりしていました。 そんなにたくさんお互いの事を話す訳でもなく、 だからといって居心地が悪い訳でもなく… ただ、ゆっくりと過ぎてゆく時間の流れが私にとって本当に久しぶりで… それが私のココロにどんどん潤いを与えていました。 ココロが少しずつ潤うと同時に篤への思いもいつの間にか私のココロを満たそうとしていました。 ほんの数日間一緒に過ごしただけなのに私は篤に対する思いが変化しつつありました。 それほどまでに篤と過ごすここでの生活は心地良いものでした。 けれど、やはりココロの向くままに進むことはできません。 恋をしてまた傷付くくらいなら好きにならなければいい… 「好きにならなければいいの…」 自分に言い聞かせた言葉はあまりにも弱々しいもので海から流れてくる風に溶け込んで消えてしまいました。
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