1.別れと出会い

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とても暑い日でした。 暑さのせいばかりではないものの、朝から何もする気が起こらずせっかくの休日というのにひたすらクーラーの効いた部屋で眠っていました。 正確に言うと眠っていた訳ではなく目を閉じウトウトしては急な不安感に胸を叩かれハッと目を開ける。 それの繰り返しでした。 「泥のように眠りたい…」 何度目かのウトウトの後、目が覚めたもののそんな独り言を部屋の空気に投げ掛けて見ましたが、 当然、誰にも受け止めて貰うことはなくエアコンから出る無機質な冷気とともに消えていきました。 こうしてまた一日が終わるのかと思っていましたが、カーテンの隙間から西陽が少し差し込みかけた頃、やはり空腹には勝てませんでした。 「お腹すいたな…」 その言葉がとても滑稽に思えました。 なぜなら… 昨日、私は死ぬつもりでした。 そう、本気で死にたいと思っていました。 なのにお腹が空いたなんて。 死のうと思った理由は失恋です。 人によっては失恋で死ぬなんてバカみたい…という人もいるでしょう。 私だってそう思っていました。 自分がこんな事になるまでは。 たかが失恋。されど失恋。 その失恋は私にとって、とてもとても辛い出来事で、これからの日々なんて全く考える事ができませんでした。 そう、ありきたりの言葉で例えるなら絶望… 絶望の淵に立たされた気分でした。
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