5、揺れるココロ

8/10
前へ
/79ページ
次へ
なのに……… 軽く唇に当たる感触に目を思わず開けると 「だから目開けるとシャドー入れられないって。」 なんでもなかったように篤が言うので私もなんとなくその空気に流されました。 もしかして私の勘違い? 「えっ、あぁ…ごめん?」 戸惑いながら謝る私に、 「うそ。アヤがあんまりかわいいからなんかキスしたくなったーーー」 そう言い、篤はさらに軽いキスを私の頬や額に落としました。 部屋に軽いリップ音が響いていて恥ずかしさが込み上げます。 「あーやべっ。このままだと仕事にならないわ。」 照れながらそう言った篤に私は何も言うことが出来ず、 ーーーどうしよう…好きになっちゃダメなのに、絶対に駄目なのに。またツラい思いを繰り返すだけだって。 ただただココロの中で言い聞かせるように繰り返しました。
/79ページ

最初のコメントを投稿しよう!

232人が本棚に入れています
本棚に追加