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週末で店内はとても混雑していました。
予約もせずに来てしまったことに申し訳ない気持ちが押し寄せてきましたが無理を言い、待たせて貰うことにしました。
とりあえず受付を済ませ待ち合いスペースで雑誌を手に取ったものの、読む気もおこらず意味もなくページをパラパラと捲っていました。
ーーー私、何をやってるんだろう…
そんな思いが頭を過りやはり日を改めようかと思い始めた時、
先ほど受付にいたスタッフが私のところへやって来て、少し小声で私に話しかけてきました。
「実は急にキャンセルが出まして…」
私を担当している美容師にキャンセルがでたらしく直ぐにしてもらえるとの事でした。
が、ただしVIPが使用する個室でのカットになるらしく、申し訳なさそうにスタッフは私に料金の説明を始めました。
説明を聞けば、確かに申し訳なさそうに言わざるを得ない料金でした。
正直、今しばらく待つかそれとも…迷いました。
けれど、予約もなしに来て待つのは当然と思っていたけれど、少しでも早く彼の大好きだった長い髪を切りたいその思いが私をどんどん突き動かします。
「じゃ、それでお願いします。」
スタッフに告げると私は奥にあるVIPルームへと案内されました。
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