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僕は雨が好きだ。
小雨、霧雨、大雨、豪雨。
身体に触れる優しくひんやりとした感覚、生暖かい感触、打ち付けるように少し痛みのある感覚。
地面に降り落ちる音のない音、何かに怒りをぶつけるかのように激しく降り落ちる音。
時に音もなく地面を濡らし、時に自然災害を引き起こし、時に感情ごと打ち付け流してくれる。
僕は雨が好きだ。
これが僕の最後の雨……。
僕は雨が嫌いだ。
空が暗くなり鼻につく嫌な臭い、晴れているにもかかわらず急に降り出す、身体を冷やしていく、雨を引きずるように走る不快な走行音、前が見えなくなる程の窓ガラス、歩道が狭くなる程の傘の群れ、涼しいのに暑い。とにかく雨は嫌いだ。
まぁ…どちらにしても僕には関係のない事だけど。
部屋に入り、カーテンが開けられ、パソコンが閉じてあり、部屋を眺める日々。
僕に外の世界は関係ない。
そして、もう関係ない。
ボクがいた世界に他人はいない。
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