第2章

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グループ統括マネージャーの古閑に呼ばれ、メンバー5人がまだハシャギつつ楽屋外に出ると、いかにも品の良さそうな初老の男性に手を取られた小学生くらいのこれまたお嬢様風をまとった女の子が、キラキラの笑顔でドア脇に立っていた。 「こちら丸越製薬の設楽会長とお孫さんの菜々(なな)さん」 丸越製薬、は最近新たに番組スポンサーになった国内最大手の製薬会社で、社長以下役員たちとの食事会は既に行われていた。 古閑の紹介に、さっきまでとは打って変わり折り目正しく挨拶をする5人。礼儀礼節に厳しい古閑の教えのおかげで、彼らはいつの間に相手に好感を抱かせる挨拶がオートマにできるようになっているらしい。 「本来こちらから伺うべきところ、どうしてもとおっしゃって頂いたんだ。会長、こんな所で申し訳ありませんが、メンバーの紹介を簡単にさせて頂きます」 古閑が手前の拓海を示すように左手をかざす。と、 「おじいちゃま!ナナが教えてあげるっ」 白のレース・ワンピースを揺らしながら「こらこら」と注意にもならない柔らかな制止を受けた少女が、祖父の前にぴょこんと跳ねた。 「ヤオ・シズルさん!1番背が高くて、とってもお歌が上手なのっ」 少女の左端で指名された静流は確かにメンバー唯一の180センチオーバーで、スモーキーグレーの短髪と北欧系ハーフらしく白磁の肌に瑠璃色の瞳の18歳だ。     
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