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そう言って踵を返した吉永は、いつの間に現れたのかお付きの者に護られるようにしてその場を去ろうとしている。
「お待ちください」
古閑のほとんど怒号。出逢ってから7年弱、これほどまでの怒りに満ちた古閑を拓海は見たことがなかった。にも関わらず、吉永は足を止めることなく歩き続ける。
「タクミは…システム5は私の命です。その命を奪うとおっしゃるのなら、こちらも全力で戦います」
無音。そして逆側のエレベーターに消えていく吉永とそれを射抜くように見つめる古閑を、拓海はただ茫然と見つめるしかなかった。
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