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「マユ、ごめん。もっといてやりたいけどもう行かねーとなんだ」
滞在約12分。腕の中でコクンと頷く真弓は「タクミ兄に会えたから…もう大丈夫」スリスリと頭を拓海の手首に擦り付ける。安心した時にみせる真弓の猫のような仕草に、
(やっっっっべえ!!!!!可愛すぎで死ぬ×無限大)
心中荒ぶる拓海を知る由もなく、するりホホを上げた真弓は涙を拭うと晴れた笑顔で言った。
「ごめんね、タクミ兄。何か用だったんでしょ?」
「あ?……っと、そう!こないだタッチパネルのペン?マユの部屋に落としたみたいで」
「えっ?それ取りにきたの?ごめんね、気が付かなくて」
「たまたま近くで仕事だったからついでに寄っただけっ 気にすんな。そんなことより、本当に大丈夫か?サインくらい何百枚でも書くから、ちょっと待ってろって言っとけ」
「え…?なんでそのこと…」
(し、しまったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!)
白目を剥きかけた拓海に
「…もしかして中学の時のこと覚えててくれたから?あのときもタクミ兄、寝ないでサイン書いてくれたよね」
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