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「拓海?今、家か?」
現在16時。嫌な予感しかしないマネージャー古閑(こが)からの着信を3度目で受けると
「今日は絶対ムリっす」
拓海は先制攻撃で応じる。
「テレビ見てたんだろ?いや、間違いないとは思ってたが、今のご時世ガチンコだからな…そんなわけで“囲み”だけ!な?」
「今日だけは何があっても1日オフにしてくれるって約束しましたよね!?この日のためにオレ、スポンサーとの飯会とかめっちゃ我慢してっ…」
今回の“好きな~”は確かに大きめ企画だけれど、様々存在するこの手のイベントすべてに予定を組めば、拓海のオフは皆無になるだろう。
「拓海。もちろん俺はお前との約束を尊重したい。でも、世間は“お前”を求めてるんだ。他のメンバーや、うちみたいな弱小もいいとこの事務所に持ってかれた他事務所の子らの気持ちも考えてみろ」
「それはっ……」
オレには関係ない、は買い言葉にすらできない。拓海自身、なぜ自分なのか、まったく分からないのだ。
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