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自分のせいで真弓に悲しい思いをさせている。その事実は拓海の胸を傷ませ、同時に得もいえぬ喜びをもたらした。
「喜美子(きみこ)さんにも謝ってくるわ」
喜美子というのは真弓の母で、拓海の母の大学時代からの親友。シングルマザーで働き詰めだった拓海の母に代わり、幼い頃から我が子のように世話を焼いてくれた言わば第2の母のような存在だ。
「じゃーな、マユ。また連絡する」
このままここにいて、真弓が涙でもを見せようものなら衝動的に抱きしめかねない。拓海は可能な限り真弓を見ないように部屋を後にした。
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