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私の大きなお腹を気使ってくれたんだろうな、と思うと嬉しかった。ありがとうございます、と言って腰掛ける。
カウンターの奥に戻った店主は、慣れた手つきでパソコンのキーボードを叩き始めた。しかし、3分も経たないうちに
「お客様、残念ながら当店では取り扱いございませんね…」
店主はパソコンの画面を見たまま私に告げた。
「…本当ですかあ…」
なんとなく分かっていた結果だったから、そんなに落胆はしていなかった。私は立ち上がり、パイプ椅子を畳んだ。
「いいんです。他を探してみます。お世話様でした」
パイプ椅子を受け取るためにカウンターから出てきた店主は、美しい眉毛を軽くひそめた。
「そんなお腹で無理をしてはだめですよ。僕が探しましょう。ツテがありますから、当たってみます。もし、見つかった時のために連絡先を教えてください」
店主の妙な熱意に私は、自分のフルネームと自宅の電話番号を書き残し、店をあとにした。
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