突然の告白

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*** 放課後。 クラスメイトが次々と教室を出ていく。 私は、英語の課題を全部回収出来たか確認していた。 すると、 (……あれ。一人分足りない) 何回か数えても、どうしても1冊足りない。 全員出してくれた気がしていたのだけれど。 (……ん、誰だ?誰のがないんだ?) クラスメイトはぞろぞろと教室を出ていく。 もし、出していない人があの中にいたら… そう思うと気が気でない。 (せっかく冬室くんのおかげで集まったのに) と思い、ふと気づく。 (……あれ?そう言えば冬室くんの課題あったっけ?) 今度は冬室くんの名前に注目して課題を数えていく。 ……ない。 冬室くんの課題がない。 (ええー!出してないの冬室くんなの!?) てっきり一番に出してくれていると思い込んでいた。 もしかして課題が終わってないのかな。 教室を見回すと、冬室くんはまだ帰らず自分の席にすわっている。 スマホをいじっているのが私の席からも見えた。 課題を出していないことに気づいてないのだろうか。 「……はぁ」 何はともあれ、帰ってしまった人じゃなくてよかった。 私は冬室くんのところへ向かった。
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