ある、コメント

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*** その日の昼休み。 コメントのことは引っ掛かっていたが、やっぱり更新はしたいと思い、お弁当を急いで食べると図書室へ向かった。 昼休みも開放されている図書室は、あまり人もいないし、静かで小説を書くのにはちょうどいい。 隅の方に座り、カムフラージュの自習道具をひろげてから、スマホを操作する。 ひたすら指を動かして、頭に浮かぶ物語を文字に落としていく。 この時間がかなり気持ちいい。 トリップ感……というのか。学校にいることも忘れて、物語の世界に没頭できるのだ。 ……そう。 更新しているときは、ひたすらその世界に入り込む。 だから、……私の向かいに誰かが座ったことに、すぐには気付けなかった。 (……よし、更新できた) 一息ついて、ふと顔をあげる。 ……と。 「……っ!」 思わず叫びそうになってしまった。 「…………」 私の向かいでニコッと笑い、軽く頭を下げる男子生徒。 いつの間にか、冬室くんが私の前に座っていた。
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