別れの日

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「待ってください、椹木さん。」 聞こえるか、聞こえないかくらいの掠れた小さな声に、私の足は止まった。 「ちっとも、 不快などでは、ありませんでした。 椹木さんは、とても魅力的な女性だと思います」 先生は、哀しいくらいに残酷だ。 そんなことを言われたら、忘れようにも忘れられない。 私のことなんて、なんとも思ってないくせに、 先生はわたしの心の中に居座り続けるつもりだ。
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