第一章 木の上の神様

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 内部の設備も古く、中には自家製の設備というものも混じっていた。 最先端とはほど遠く、所々ガムテープやボンドで補強されている。 消えた文字は、マジックペンで書き足されていた。  工具も壁に並べられていて、昭和の工場のようであった。 こういう工場は、今、どんどん消えてゆく。 どんなに性能を謳っても、この工場では信じて貰えないであろう。 検査設備なども、かなり古く、出来上がった製品も、 今後生まれてくる、新しい品物には搭載されないのかもしれない。  電気が付かないので、見学を切り上げたかったが、二階も案内してくれた。 階段を登ると、足元以外からも、軋みが聞こえてくる。 その内、工場全体からも、軋みが聞こえてきた。  俺は天井を見たが、暗くてよく見えない。 でも、キシシキシシという音と共に天井自体が動いているようにも見える。 窓は、誰かが激しく叩いているように、揺れ揺れ続けていた。 それも、一枚ではなく、全ての窓からであった。
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