第四章 木の上の神様 四

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「……信哉さん、気合が入っているね。確かに、移住するかのような資料だよね」  信哉もリハビリをして、K商事に入社して欲しいくらいだ。 この丁寧な資料は、どこか温科レベルであった。細部にまでこだわり、徹底して調べている。 「……料理に使用している材料、その産地まで調べてある」  K商事ならば、車椅子で働いている人もいる。 エレベータ、トイレ、他諸々と、既にバリアフリーになっている筈であった。 「車を買って用意していたのか……」  俺は、信哉に声を掛けるのが遅かったかもしれない。 もっと早く計画すれば良かった。 「氷花、今日は、一緒に寝よう。もう、疲れたから眠るだけだけどね」  それは、俺も二回も入れたくはない。
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