第四章 木の上の神様 四

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「長男の誕生日に、自殺したのだろうか?」  事務所も工場にも、鍵を掛けずに自殺したとなると、かなり衝動的であった気がする。 「氷花、考え込まない」  慶松が腕枕しようとするが、俺は自分の枕を持ってきている。 腕枕では、居心地が悪い。 「おやすみ」   目を閉じると、神社の森が揺れていた。
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