第五章 木の上の神様 五 

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「氷花さんの、実家に行ってみたいです」  里見が泣いているようなので、俺は笑って、もう少ししたら里見の家を訪ねると言っておく。  俺の実家は観光する場所でもないし、宿泊施設でもない。皆を連れては行けない。  実家に何を買おうかと考えていると、つい素麺を買ってしまった。 俺の実家は米を作っているが、夏場はよく素麺を食べていた。 クーラーなど無く暑かったので、素麺は美味しかったのを思い出す。  他に、母親にリュックを購入してみた。母も時々は旅行をして欲しい。  家に戻り荷物を置くと、里見の家に行くべく慶松に声を掛けた。 「慶松、里見の所に改造した端末を届けてくるよ。車を借りるね」 「分かった!」  今日もラーメン屋松吉は混んでいた。
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