第五章 木の上の神様 五 

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「食べさせるには、どうしたらいいの?」  里見の正面にある画像は、里見の心に反応していた。 今はピンク色で、光っている。 「そのまま、口に入れてください」  そこで、俺はつい自分の口に入れてしまった。 里見の画面は、ブルーになっていた。 「氷花さんが食べるのではなく、僕の口に入れます」  そこで、小さく割って、そっと里見の口の中に入れてみた。 すると、小さく噛む音が聞こえていた。 「……噛めるようになったの?」  里見が小さく頷いていた。 「少し、足も動きます。手も動きます。今、リハビリしています」  里見は、速いスピードで体の機能を回復していた。 これは、本当に歩けるようになるかもしれない。
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