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「早く、氷花さんを抱きたい!」
その野望は聞き流して、俺は端末を調整してゆく。
里見は、脳の機能を発達させてきた。普通の人の倍以上も、脳だけ活動し続けている。
このままでは、脳だけ過労死してしまう。
そこで、脳を休めるためにも、身体を動かした方がいい。
「慶松の端末をセットしておくよ。これで、里見君の神経伝達の様子が分かる」
神経伝達の弱い部分があるので、数値化して、ビジュアル的に見えるようにしてみた。
見て理解すれば、強い伝達にできるかもしれない。
「あ、面白いですね。波形で分かるのですか。見ながら、訓練してみます」
里見が楽しそうに、波形を動かしていた。
「今日は、氷花さんは自宅待機なのですね。会社、大変そうですね」
里見は、勝手に防犯カメラを確認し、犯人を特定していた。
その犯人像を見せて貰うと、普通の初老の男性であった。
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