第五章 木の上の神様 五 

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 一般用のエレベータから降りると、少し壁に寄りかかって休み、 それから社長用のエレベータに近寄る。 K商事のエレベータは、社員証が無いと乗る事ができない。 ゲストのプレートを付けているので、エレベータには乗れなかったであろう。  ちなみに、来客の場合は、誰かが付いて回ることになっている。  男性は疲れたように、そこに小さな紙袋を置いて去った。 次に、爆破になっている。 「テロではないよね」  それよりも、この男性の疲れ方が気になる。 むしろ、こっちの男性の方が死にそうに見える。 「……こういう事件の方は、宍戸だよね」  ただの男性が、爆弾を入手できるとも、爆弾を作れるとも思えない。
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