第五章 木の上の神様 五 

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 ここで、爆弾を仕掛けた男性が、自殺でもしたのならば、思い詰めての犯行になる。 「死のプログラムか……」  でも、自殺で訴えかけても、この男性が爆破犯になった事には変わりがない。 「……犯行現場には、ビー玉があったでしょう?」  宍戸のヒントに、俺は記憶を確認する。 俺は、階段で降りている。止まっていたので、エレベータには乗れなかった。 「俺、現場に行かなかった。階段を使用したからさ」  でも、これはB君のプログラムであるのか。 それでは、人道的な意味を考えてはダメなのかもしれない。 「B君というのは、子供の遊びのような面もありますが、世の中に対して許せない思いが強い」  差別、犯罪、死に逃げる人々などが対象となっていた。  それでも、基本は死に意味を持たせる事であった。 宍戸と逆になり、自分の罪を表現している面もある。
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