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「里見君?どうしたの」
「宍戸さんと話していると、氷花さんは素のままなんだと思いました」
同じ年なので、素になるのかもしれない。
里見の前だと、大人でいようという気持ちが働く。
「まあ、年が近いからかな」
宍戸との通信を切ると、時計を確認してみた。
君島の家に向かうまでには、少し時間がある。
「俺、これから恩師の所に行ってくる。特許の問題でね」
でもと、俺は床に胡坐をかいて座る。
「俺は、人の心が理解できないよね。里見君は、深くまで理解できる」
俺は祠堂の工場で見たり聞いたりしたことを、里見に説明してみた。
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