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「そういう理由なのですか。でも、この製品情報は売ったらどうでしょうか?」
そこで、女性は首を振っていた。
「……特許があるのです」
特許の持ち主に問題があるらしい。
それ以上は、言わないようなので、追及は出来なかった。
工場の二階を歩くと、一階以上に暗かった。
それは、外の天気にも関係しているが、窓が少ないせいもあった。
そこに、雷が鳴り、稲光が走った。
窓全体が光って、俺と柴田は叫びそうになったが、女性は静かに外を見ていた。
女性が黙っているのに、男が叫ぶわけにもいかない。
どうにか平然を保っていたが、稲光が近く、ここに落ちそうな勢いであった。
「きれいですね。稲光……」
きれいなのか?つい、疑問符が浮かんでしまった。
今の雷は、綺麗というレベルでは無かった。どちらかというと、身の危険を感じた。
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