第五章 木の上の神様 五 

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「今度こそお土産をください」 「……野菜でいいかな?」  里見は、首を振っていた。 何が欲しいのかと思っていたら、必死に絵を描いていた。 「猫?」  どことなく足が四本ある。 「椅子です!氷花さんと、慶松さんが座る椅子です」  それは、お土産なのであろうか。それに、絵が酷い。 「俺が床に座るのが気になるのか?」  里見が頷いていた。 「それは、慶松に注文してみて。俺は、ソファーがいいな。寝転べる感じのやつ」  里見がカタログを広げていた。 結構、高価なものを選ぼうとしている。 「……そんなに高価ではない方がいいな。すぐ壊すから」  少し里見ががっかりしていた。
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