第五章 木の上の神様 五 

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「慶松が家具にも詳しいから、今度、こっちに来て貰うね」  平日は、慶松が納品していた。 今度、里見の家に慶松に来て貰おう。  必死でカタログを見ている里見を横目に、俺は里見の家を出た。 車に乗って家に戻ると、慶松が既に着替えて待っていた。 「慶松、スーツなんだ」  でも俺も自宅待機であったので、スーツを着ていた。 そうか、俺がスーツなのに、床に座るので、里見が気にしていたのか。 「恩師でもあるからね」  スーツ姿の慶松も、かなりかっこいい。 「行こうか」  車に乗り込むと、ナビをセットしてみた。 母校はそう遠くないが、君島の自宅はやや離れていた。
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