第五章 木の上の神様 五 

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 二時間程、車を走らせて、他県の住宅街の中に入った。 有料駐車場に車を止めると、土産を持って歩いてみた。  君島の家は、古い民家であった。どこか、旧家で趣があった。 黒塗りの木の塀の先には、木の門があった。 門の中に入ると、大きな木があり、その横に玄関があった。 「こんにちは、氷花です」  チャイムのようなものも、何も無いので、ドアを叩いてみた。 すると、中で足音が聞こえていた。 「氷花君と慶松君だね。上がって」  エプロンを付けた君島がやってきた。 どうして、来客であるのに、エプロンなのであろうか。
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