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玄関で靴を脱いで中に上がると、咳込んだ女性がやってきた。
「ごめんなさい、風邪で寝込んでしまったの。お茶を淹れてください、孝太郎さん」
女性は辺見の妻のようであった。
ここには、夫婦でやってきていたのか。
「はい」
穏やかな男性が、キッチンに消えていった。
女性に案内されて入った部屋は、純和風の部屋であった。
畳に床の間、床の間の前に君島が座っていた。
正座になって座ると、土産の日本酒を差し出してみた。
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