第五章 木の上の神様 五 

23/25
前へ
/604ページ
次へ
 玄関で靴を脱いで中に上がると、咳込んだ女性がやってきた。 「ごめんなさい、風邪で寝込んでしまったの。お茶を淹れてください、孝太郎さん」  女性は辺見の妻のようであった。 ここには、夫婦でやってきていたのか。 「はい」  穏やかな男性が、キッチンに消えていった。  女性に案内されて入った部屋は、純和風の部屋であった。 畳に床の間、床の間の前に君島が座っていた。  正座になって座ると、土産の日本酒を差し出してみた。
/604ページ

最初のコメントを投稿しよう!

188人が本棚に入れています
本棚に追加