188人が本棚に入れています
本棚に追加
外を見ると、雨が降り出していた。
雨は、やがて本降りになり、土砂降りになった。
「遺書があれば、そんなに深く捜査されないかもしれない」
遺体を移動し、まず行方不明の届けを出し、自殺で発見される。
骨になっていれば、ただの首吊り以外は、分からないだろう。
そこで森を探すと、毎日のように見ている神社の森を思いついた。
神社の森は深く、余り奥地には人が入らなかった。
皆で遺体を運び、雨の中で遺体を吊るした。
見つからないように、高所につり上げ、皆で手を合わせて去った。
「しかし、予想も出来なかった。まさか、雷が落ちるなんて」
金属を持っていたのかもしれない。それに、一番高い木を選んでいた。
「しかも、私は上着を忘れていた」
雨に濡れて、動き難かったので上着を脱いで木に掛けていた。
「……上着に遺書があって、私が死んだ事になってしまった」
最初のコメントを投稿しよう!