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それは、君島が辺見の表情を見てから切り出そうとしていた。
どこか、君島と辺見は、夫婦のような雰囲気があった。それを、朝子は平然として見ていた。
「まず、私たちの関係から説明した方がいいようだね」
そこで、朝子は下を向いてしまった。
やはり、聞きたくない事なのかもしれない。
「私と、ここの辺見君、元祠堂君だね。それと、朝子君で、三人で夫婦だと思って欲しい。
私は辺見君の子供が見られて、一緒に子育てできて、本当に幸せだった。
その機会をくれた朝子君に、本当に感謝している。
もしも、私が朝子君に恨まれて殺されたとしても、この幸せは本物で後悔はない」
君島は、その上で自分は男しか愛せないという。
そして、生涯愛したのはただ一人、辺見孝太郎だけであった。
「初恋も辺見君で、生涯愛した人も辺見君だけだよ」
朝子はそれでいいのかと、俺と慶松は朝子を見ていた。
すると、朝子は涙を浮かべて頷いていた。
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