第一章 木の上の神様

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「……電車が止まっておりますよ。道もあちこち冠水で、駅に行くにも難しいでしょう」  時計を見ると、既に五時になっていた。この暗さは、夜の暗さに変わってゆく。 今日は、他に二社回っていたので、ここへの到着も遅かったのだ。 「……どこか、宿泊先はあるでしょうか?」 「ああ、あります。私も帰るので乗せてゆきます」   それは助かった。 そこで、一泊し、明日、再び訪ねてみよう。 「柴田、泊まりでいいかな?」 「他に方法が無いでしょ」  柴田は、既に会社に許可を取っていた。 この雨と雷で、新幹線も在来線も全て止まっているのだそうだ。 「今、電話が掛かったよ。明日の再来社で話がついた」  柴田が、アポイントを取り直していた。
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