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妙なバランスで成り立っているが、これは三人の問題であるので、
俺はそれ以上の追及はしない。
長い時間を経て、この奇妙な三人での夫婦は、互いに信頼し合っている。
そこで、君島は辺見にビールをお願いしていた。
辺見は、立ち上がると、キッチンから瓶のビールを持ってきた。
俺も、君島にビールを勧められたが、車だからと断っておく。
君島はビールを飲むと、少し目を伏せた。
「……いつか、私たちの秘密に気付いて、来る人間がいるだろう。
その最初に気付いた人には、素直に打ち明けようと決めていた」
そういえば君島は、講義でも最初に発見した者を評価していた。
後続する者が、どんなに素晴らしい理論を打ち立ててきても、
最初の発見者を評価する。
未熟でも発見したという、その一歩が世を動かすと教えていた。
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