第六章 夏は草に埋もれて

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「俺は面倒なので、特許だけでいいです」  そこで、朝子が食事を作ってくれようとしたが、ふらついていた。 「俺達が料理をしますので、材料を適当に使用していいですか? それとキッチンを貸してください」 「在る物は何でも使っていいよ。でも、料理なんていいのかな?」  それは、慶松も俺も、料理に慣れているので構わない。  キッチンに行くと、まるで工場のように整理整頓されていた。 名札があり、置き場が決まっている。 これは、使ったらここに戻せということだ。  慶松もよく俺に怒るが、俺はかなり適当であった。 「俺、辺見さんに親近感を覚えたよ……」  慶松が、鍋の配置に感動していた。
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