第六章 夏は草に埋もれて

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「ああ、そうね」  俺は、怒られる予感のする配置で、あまり見たくはない。  キッチンには誰の趣味なのか、珍しい野菜が多くあった、野菜とハムでマリネを作り、 味噌汁までを俺が作る。 他に刺身があったので、野菜とカルパッチョ風を作ってみた。  慶松は、肉じゃがとほうれんそうのソテーを作っていた。 見た目は地味だが、それぞれは美味しい。 テーブルに並べると、朝子が感動していた。 「ウチの息子は、料理は出来ないのにね」  朝子と辺見には、一男一女がいるらしい。二人とも高校生になっていた。 朝子が全てやってしまうので、子供が家事を出来ないのだと、辺見は言う。
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