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「自殺の時期が、朝子が第一子を産んだ翌日でした……」
これは偶然であったのだろうか。
「……祠堂は呪われていました。
私の祖父も、地元の有力者である男性の、愛人と噂されていました。
祖父は、ただの学友だと否定していましたが、家族は知っていました」
その有力者は、東京に普段は住んでいたが、地元に帰ってくると必ず、
祠堂の離れに泊まった。
祠堂と酒盛りをするためと言っていたが、離れを造らせたのもその有力者で、
酒盛りの準備が済むと家人を遠ざけた。
夜通し離れには明かりがあり、呻き声のような喘ぎが響いていた。
それに、家の軋みがいつまでも続く。
翌日になると、乱れた布団が残り。激しく愛された跡の残る祖父がいた。
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