第六章 夏は草に埋もれて

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「お話を聞けて良かったです。K商事へ新製品をお願いします」  真実も分かったので、あとは開発に専念したいところだ。 「お邪魔しました。ありがとうございました」  慶松と一緒に丁寧に礼を言うと、君島の家を後にした。  車に乗り込むと、慶松がナビをセットしていた。  助手席に乗り込むと、遠見に祠堂の話を送信してみた。 すると、遠見は、不思議な内容の話を送ってきていた。  車が走りだすと、慶松は自宅にナビをセットしていなかった。 「慶松、明日は仕事だろう?」 「でも、週末は、氷花が実家に行っていていないでしょ?」  慶松は、君島の気持ちを理解していた。 祠堂という、皆が惹かれる存在を、自分のモノにしておくには、周期的な確認が必要であった。
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