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「氷花、到着したけど。車から降りて欲しいな」
到着したのは、家では無かった。
熱中してしまっていたので、外見は見ていなかったが、
よく高速道路のインターチェンジ付近に点在する普通のラブホらしい。
「……慶松」
仕方なく車から降りると、部屋に入ってみた。
結構広く、高級ホテルのような、上品な部屋であった。
「平日だからね。結構安い」
慶松はスーツを脱ぐと、ハンガーに掛けていた。
俺も脱ぐと、一緒に風呂へと向かってしまった。
「バラの風呂?」
大きな風呂に、赤い花びらが浮いていた。
「色々なグッズがあるよね。ほら、湯もバラの香り」
バラの香りはいいが、それで気持ちが高揚するということもない。
体を洗っていると、じっと慶松が俺を見ていた。
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