第七章 夏は草に埋もれて 二

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「中、洗ってあげようか?」 「だから。お互い、そういう部分は秘匿がいいでしょ。隠し事があるから、恋は長続きするの」  ローションにも、バラの香りが用意されていた。  喧嘩しながら風呂から出ると、ふと分かった。 「そうか、あれこれ隠して置いてあったのか」  祠堂の離れが、逢引の部屋であったとすると、 あれこれアダルトグッズが隠されて用意されていたのかもしれない。 それを処分して欲しいと、幼馴染には言ったのかもしれない。  辺見の祖父は、病死であったが、急死に近かった。 部屋にそういうグッズがあれば、家人にもそういう関係であったと知られてしまう。 家人は黙認していたのかもしれないが、やはり知ればショックであっただろう。
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