第七章 夏は草に埋もれて 二

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 これは、慶松の方が正しかった。確かに、いつもよりもきつくなっている。 まだ、二本だというのに、それも入れただけなのに、脂汗が全身から出て、 体温が下がってゆく。 やや、ショック状態になっていた。 「氷花は、メンタルな面の影響が出やすいからな……」  慶松は、一旦、指を抜くと隣に寝転んだ。 「……氷花、俺の上に乗って、自分で慣らすか?」  慶松のは萎えていないので、毎回、俺も申し訳ないと思う。 俺は、息を整えると、慶松に跨った。  自分の指で触れてみると、やはり硬くなっていた。 「……辺見夫婦が気になった。朝子さんは、本当に幸せだったかな?」  亭主が他の男に愛されていた妻は、何を頼りに生きてゆけるのだろう。
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