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「ちょっと、慣らそうか」
やはり、慶松の指の方が安心する。
慶松の指は太くはないが、長く強い。それに温かくて、安心する。
「……氷花!この状態で居眠りをするかな!」
慶松が怒るのは無理はない、この状態で居眠りはまずいのだが、
すごく安心してしまうのだ。
「眠る前に、入れておくよ」
慶松は俺をうつ伏せにベットに押し倒すと、腰を持ち上げてきた。
俺の下に枕を入れると、しっかりと固定する。
「氷花、入れるよ」
慶松の口調はきつかったが、そっと添えるように押し込んできた。
「……う……きつい」
「俺もきつい。懲りたら、居眠りするな」
俺が頷くと、慶松の笑い声が聞こえた。慶松だって、緊張感はない。
つられて笑うと、体の力が抜けてゆく気がした。
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