第七章 夏は草に埋もれて 二

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 ベッドに打ち込まれている。 それも、力強く、執拗に迫ってくる。 喋ろうとすると、舌を噛みそうになるほど、激しくて、俺は慶松に抗議していた。 「裂けそう……」 「氷花、すごく気持ちいい。うねっているよ。絡みついてくる……」  ベッドにしがみついても、激しい突き上げでずり上がる。 逃げられないように慶松に腰を掴まれて、又、打ち込まれていた。 「氷花!」  やっと、慶松が果ててくれたので、俺は転がって逃げておく。 「氷花、逃げたな……」  もう全身が怠いのだ。特に、腰が重い。 「もうダメ」 「ま、氷花、今回、頑張ったよ」  頑張っただけで済まさないで欲しい。全身、ボロボロになりそうだ。
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