第七章 夏は草に埋もれて 二

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 そこで、慶松に抱き込まれて、少し仮眠してしまった。 目が覚めると、シャワーを浴びて、身支度を整える。  車に乗り込むと、携帯電話に大量の連絡が入っていた。 開いて見ると信哉からで、興奮して目が覚めてしまったとあった。 まるで、小学生の旅行状態になっていた。 「どうしたの?氷花」  車が走りだすと、信哉の内容を最初から読んでみた。 信哉は、工程のあれこれを再度チェックしながら、K商事のエレベータ爆破事件も調べていた。 「……信哉さんが、楽しみで眠れないそうだ」  慶松は笑いながら運転していた。 俺が、話しかけようとすると、再び慶松が笑っていた。 慶松も、笑いだすと止まらないような面がある。 俺は、慶松に話す事を止めると、エレベータの爆破を読んでみた。
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