第七章 夏は草に埋もれて 二

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 俺は家に帰ると、急いで実家に帰る準備を始めた。 着替えなどを詰めると、土産を整理する。すると、そこに慶松もあれこれ持ってきた。 「これ、俺が作ったメンマとチャーシュー。真空パックにしている。 これは、冷凍餃子で保冷バッグに詰めた」  慶松は、まるで母親のようであった。 「なあ、慶松。どうしてB君は、俺の付近に現れるのだろう?」  俺は、慶松のメンマを眺める。 「それは、氷花が弥勒だからだろう」  俺は、慌てて慶松を見た。 今、さらりと、慶松がとんでもない事を言った気がする。 「慶松……?」
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