第一章 木の上の神様

18/30

188人が本棚に入れています
本棚に追加
/604ページ
「……どうしてなのかな、祠堂家は都合よく保険金を入手している」  でも、祠堂の兄弟は真面目で、よく働き、犯罪に関わるような人物では無かった。 それに、見た目が良いらしい。 「氷花君のように、ずば抜けていい容姿ではないけどね、祠堂兄弟も何というのか、 二枚目でね」  祠堂兄弟は、飲み屋に行っても、知らない客に酒を飲まされるような、 どこか人好きのする容姿だという。 「佳嗣君も、よく患者の家に強制的に連れてゆかれていたよ」  感謝の気持ちで、拉致されてゆくらしい。 「他は、あんまり知らないかな……」 「お話、ありがとうございます」  地元で、祠堂家がどのような存在であるのか、少し分かったような気がする。
/604ページ

最初のコメントを投稿しよう!

188人が本棚に入れています
本棚に追加