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信哉の運転は、丁寧で慎重であった。
元々、病気になる前も運転していたらしい。
「自分で動けるというのは、いいね」
信哉は楽しそうであったが、俺は、結構怖かった。
信哉のブレーキが、ゆっくりなのかもしれない。
そこで、仕事の話をしてしまったのだが、信哉は休職中になっていた。
でも、車椅子でもいいので、出社すると決めたらしい。
「車椅子から、杖に変えるつもりだけどね。無理しないで、少しずつ回復させるよ」
信哉の笑顔は、爽やかだった。長い悩みから、抜け出したという感じがする。
信哉は他に、妹の静香が使用していたエレベータが爆破されたというのを、
かなり気にしていた。
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