第八章 夏は草に埋もれて 三

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「仕事上の恨みというのは、常に存在するけど、爆破というのは異なるよね」  仕事上のトラブルで、爆破によって、解決したものは何もない。 信哉は、爆弾の種類や製作方法まで、既に調べていた。  K商事に使用された爆弾は、爆発するという意味では爆弾であるが、 威力は小さいものだった。 しかし、そこで怖い事は、爆薬などを使用しないで製作されていたことだ。 「バックドラフトのような爆発もあるだろう。これは、そういう類だった」  最初にエレベータ内を密室とし、中で爆発したが、酸素不足の状態になっている。 そこで、開いた階で、爆発するような状態になっていた。 置いた紙袋は、カモフラージュにも近い。 社長室へのエレベータであったので、可能性としては社長が狙われていた。
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